『耳袋』とは

 私は旧軍(陸軍士官学校60期)出身で、戦後岩手県奥中山に開拓に従事し、その後、東北大学に入り、卒業後は高校で主として日本史を教えてきました。そのかたわら5ツほどの自治体史の近世編を担当執筆しました。

 また「宮城県古文書を読む会」は、平成19年で30周年を迎え、テキストは33号を重ねています。その33号が「源貞氏耳袋」で目下学習中です。この史料は東北大学図書館蔵で、全13巻、丁数は1200丁をこえています。同種の本に平凡社で出している根岸鎮衛著『耳袋』があります。「源貞氏耳袋」は著者は今のところ不明ですが、仙台藩の枢要の役職にあり、各種の情報を入手することの出来る立場にあった人と思われます。本人はきわめて好奇心が旺盛で、記録に残すことの価値のある事件や情報が入るとすぐ現場に赴き、スケッチを含めて記録しています。また残されている資料を渉猟して記述しています。根岸本との違いとして文献資料が多いのも特色かもしれません。内容は多岐にわたり、仙台藩の事項にとどまらず、全国で起こった事件や、天変地異さらに不思議な生物などまで絵を交えて記載されています。

 「宮城県古文書を読む会」ではテキスト29号で、弘化2年(1845)に山形から上州館林へ国替えになった秋元藩の家臣山田喜太夫の妻とわ(音羽子)が道中で書き記した「音羽子道中絵日記」をテキストとして学習しました。会員はその興味あふれる資料を多くの人に読んで貰うために「解読筆写 音羽子道中絵日記」を解説付きで出したところ好評で,会には在庫がすぐなくなりました。

 また30周年を記念してテキスト32号「参詣往来」を原文・解読文・解説併記で刊行しました。これは仙台藩往来物の総集編です。内容は、@仙府年中往来(燕石斎薄墨)A道中往来(新関与斎)B奥道中歌(同)C塩竃詣(燕石斎薄墨)D竹駒詣(同)E松島往来(同)F金華山詣(同)G岩井詣(三郎兵衛)H平泉詣(燕石斎薄墨)I三山詣文章(葎堂)J於曽礼山詣(燕石斎薄墨)です。これらは初心者用に編集されたテキストですが、いずれホームページに載せたいと思っています。とりあえず「源貞氏耳袋」(以下耳袋と略称する)からはじめます。

 現在、1巻は「宮城県古文書を読む会」、13巻はNHK文化センター泉教室の「古文書講座」のテキストに使用しています。残された巻を会の有志で解読・パソコン入力作業を進めています。このホームページで、郷土資料と全国に共通する主題を選んで紹介していきたいと思っています。原文の一部を図で挿入しますので、古文書を勉強したい人は取り組んでください。 

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